【第一例会専用】waiz卓：Pathfinder 2e

246 ：waiz ◆y0PeEVSj8c ：2024/04/07(日) 21:58:03 ID:43a4LFIh

★★★★カーマン・ラジャニ★★★★
絶体絶命の泥棒


カーマン・ラジャニは、ローズガードのメンバーでオタリの共同設立者である有名なヴォル・ラジャニの最後の子孫である。
カーマンは、ヴォルの勇敢さ、友人への献身、そして有名な剣コーポラティブ・ブレードの腕前を聞かされて育った。
少年時代のカーマンは、なぜ自分の家の剣が暁の華図書館に飾られていて、自分の家にないのか理解できなかった。
それは彼らのものだと、彼の両親は主張した。

　大人になったカーマンは、オタリの鍛冶屋グレイドの刃物で働き始め、
その後、先代のオーナーとの幸運な賭けで店を手に入れた。しかし、彼は家族の剣を忘れることができなかった。
公式には、メニマス家はヴォルの古き剣の所有権を主張していたが、カーマンが不快に思わぬよう寛大な措置と称して、
図書館に置くことを許可した。

　アブサロムからの道中で両親が盗賊に襲われ殺された夏、カーマンは失意の男となった。
鍛冶屋での仕事は不規則になり、友人とくつろいだり、地域社会に貢献したりすることもなくなった。
行き場を失ったカーマンは、遺産を浪費し、娯楽や高級な服、貴重な蒸留酒に金を使うようになった。
そして、鍛冶屋にいる時間よりも、クルークの隠れ家でのギャンブルや飲酒に時間を費やすようになった。
やがて遺産は底をつき、カーマンは多額の借金を背負うことになった。その後、何度か借金を重ね、旅人から金を巻き上げたり、
クルークの隠れ家にあるナイフ投げ板で旅人を急かすようになった。
しかし、それでも悪徳は些細な詐欺による収入を上回り、やがてクルークの隠れ家のオーナーでオタリの盗賊ギルド、
オスプレイ・クラブの首領であるイニャスメラの指導のもと、あからさまに盗賊行為に手を染めるようになった。
エース・オブ・ブレードとは、クルークの隠れ家で最も優れたナイフ投げに与えられる称号で、
カーマン・ラジャニはその称号を長く持ち続け、オスプレイ・クラブの仲間たちの間でのニックネームとなっている。

　昼間は鍛冶屋として働き、夜はクルークの隠れ家で酒を酌み交わし、
小銭が少なくなってきたら窃盗に手を染める、そんな生活が数年で定着した。
しかし、人生を無駄にしているという噂を耳にし、自尊心は傷つけられた。
そして、自分の家がメニマス家と同等であることを町中に示すために、オゼフに対抗して市長選に出馬することを決意した。
　カーマンの出馬は、誰もが冗談だと思った。彼が2度目の出馬の時には、
彼の主張はメニマス家に対する鋭い個人攻撃に終始し、町の人々は不愉快になり、時間の無駄だと思いはじめた。
彼は自分の方が優れていることを証明するために乱闘になり、暴力で彼らの怒りを買った。
3度目の出馬のときは、地域のために力を尽くした。4回目は、公然と賄賂と恐喝で選挙を成功させようとした。

　オセフは圧倒的勝利を収め、選挙当日には祝賀服の一部としてコーポラティブ・ブレードを身に着けて現れた。
カーマンはついに、この魔法の剣こそが成功の鍵に違いないと思い至った。
オタリに幸運をもたらす剣であることは、町の誰もが知っていることであり、剣を持つ者は町を手に入れることができる。
ヴォルの後継者である彼には、その剣を手にする資格があった。彼はオセフにその武器を売るよう懇願したが、
オセフはそれが何か新しい企みか、あるいはカーマンの噂される犯罪や借金に関係しているのではないかと疑い、
遅延、言い訳、値上げで対抗してきた。

　そして、ついにカーマンは、もう十分と判断した。一族の剣を取り戻したいのであれば、それを奪うしかない。
そのためには、適切な機会を見つける必要があった。
　カーマンはニダル人の血を引いており、色白で黒髪、厳しい顔立ちをしている。
グレイドの刃物で働き続けた結果、生まれつきの優美さを補うため、非常に筋肉質な体つきになったが、
生涯の大酒飲みが祟たり、その影響は大きくなっている。かつては上等だったが、汗で汚れた服を着て、
ベルトには作業用のハンマーをぶら下げている、だらしない服装の持ち主だ。

　カーマンは辛辣で憎らしい男だ。彼の自尊心は、有名な先祖であるヴォルとの比較に基づいている。
ヴォルに関する話は、今ではすべて飾り立てられた作り話であるため、カーマンがそれに見合うはずもない。
彼の多くの失敗は彼に無力感を与え、自分の能力や価値を疑われるようなことがあると、つい暴言を吐いてしまう。
しかしカーマンは、ローズガードの英雄の最後の子孫として、自分は町の誰よりも優れていて、
人生から与えられた以上の価値を手に入れる資格があると考えている。