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【第一例会専用】Return of the Runelords【GM:位坂敏樹】

46 :位坂敏樹:2020/07/25(土) 23:09:34 ID:zBq0uhry
1.ロデリック・コーヴの午後
 リドルポートで幾つかの事件を解決した君達は、ある日ニャルの旧い友人である
オードラニから手紙を受け取った。かつてマグニマールでニャルの前から忽然と姿を
消した彼女は、現在ここから程近い港町ロドリック・コーヴで墓守の手伝いをしており
比較的平穏な日々を送っていた。しかし最近町中で奇妙な出来事が多発し、また
町の創立者であるオーレック・ロデリック卿(Sir Aurek Roderic)の幽霊が町中を
徘徊するようになった。手紙にはそれらの事柄を解決する為に手を貸して欲しいと
書かれており、旧友の頼みであればと快諾した君達一行はロドリック・コーヴへと
向かった。

 コーヴに辿り着いた君達は、オードラニからの手紙に書かれていた待ち合わせ場所で
ある円形市場(The Circle)へと向かう。穏やかに午後の風が吹く市場は買い物をする
客で溢れているものの、どことなく奇妙な緊張感が漂い、広場の外れにある井戸近くの
ポッサム・パンチ…酒売り屋台には奇妙な牙と角を合わせたような印形を身につけた
5人の男女が酒を飲みながら大声で騒いでいた。君達が盗み聞きした会話は先週この
場所で起きた大量殺戮に関するもので、また印形はサーシロン帝国の怒りのルーン
であることが分かった。そして武装こそしていないが酔っ払い達に明確な敵意を抱いた
5人の孔雀の羽根をあしらった奇妙な格好の男女が近付いて来たことに君達は気が付いた。
印形は”牙持つ角(The Horned Fangs)”、孔雀は”光輝ける教団(The Order of Resplendence)”
であり君達は今このコーヴを二分する勢力の衝突を目の当たりにしていた。更には見るからに
無法者といった出で立ちの、町の南にあるチュールウッド(Churlwood)を根城とする自称
”路の守り手達(The Roadkeepers)”と呼ばれるごろつき達も加わり市場は一触即発の
様相を呈す。しかし鈴雨が仲裁に入ったことで最初の気勢を削がれ騒動に発展すること
だけは回避出来た。

 その直後、三竦みの中央に白く濁った霞を纏い、全身ずぶ濡れた様相の男の幽霊が
出現しごぼごぼと水を吐きながら「私の町での狼藉は許さん!」叫ぶとその場に居た
多くの者が恐慌状態に陥り、幽霊に殴りかかろうとした者はまるで陸上で溺れたかのように
口から水を吐きその場に倒れた。その場に立ち留まったミェンウェンに奇妙な一瞥を
くれると、幽霊は消え去り、後には怯えたごろつき達だけが取り残されていた。


2.オードラニとの再会
 押っ取り刀でやってきた町の衛兵達と一緒にやってきたのはニャルの記憶にあるよりも
幾分か輪郭がだらしなくなり陰濃い雰囲気を漂わせるオードラニだった。彼女は此処であった
出来事の顛末を聞き、それこそが今このロデリック・コーヴを襲う危機であり、解決
して欲しい問題であると君達に協力を求めてきた。その夜、彼女から詳しい出来事の
説明を聞いたりしたが、自身がマグニマールから失踪してからについてはまだ時間が
欲しいと言って語ることはなかった。

 翌日、オードラニは先週発生した大量殺人事件について君達に説明し、その第一発見者
である燻製店の店主ラディア・ケルストロップ(Ladia Kelstrop)を紹介される。先週深夜
円形市場で”牙持つ角”の6名が死んでおり、店で火の番をしていたラディアがそれを
発見した。死体のうち1名は刺突武器で頸を貫かれていたが、他の5名は何の外傷も
無かった。話を聞くうちにラディアは君達を信用し、発見時に見かけた少年の話を
してくれた。

 話の少年キナエはハーフリングのブラックベリーが経営する町のパン屋(Blackberry's Bakery)
で店番をしており、事件の影響か君達に警戒を抱いているようだった。しかし、鈴雨と
話すうちに態度が軟化し、キナエは殺人事件の夜の出来事を話してくれた。

 その霧深い晩、キナエは家を抜け出し夜釣りに出かけており、その帰りに円形市場を
通りがかった。そこで6人の”牙持つ角”とローブを纏った男女が口論をしている現場に
遭遇した。ローブを纏った男女のリーダーらしき女性は”牙持つ角”達に「お前達は
ルーンロードのルーンを濫用している」と批難すると、腰から護拳だけの壊れたレイピア
を引き抜き先頭に立っていたキナエの父親の首を貫いた。すると霧の中から長身の男性が
出現し高笑いを上げると他の”牙持つ角”の団員も次々と倒れていった。キナエはその男性の
姿を彼がもっとも恐れる自分の祖父にそっくりだと感じ、これを話してしまうと祖父の霊が
自分を殺しに来るのではないかと恐れていた。
話を聞いた君達は幻による大量殺戮がウィアードの呪文であること、そこから刃の見えない
護拳だけのレイピアが傲慢のルーンロードであるザンダーグル(Xanderghul)の創り出した
アーティファクトである大罪の剣バラケット(Baraket, Sword of Pride)であると判別した。

 話を終えたキナエは幾分か明るさを取り戻しており、またそれを見たブラックベリーは
父無し子となった彼を引き取ると港湾知事に伝えてくれと君達に告げた。

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